市民ネットワーク まちづくり通信(高野晴美議会報告)51号

議会概要

高野はるみ

今議会では、郵政民営化の余波を受け「ぱ・る・るプラザ」を取得する等で補正予算総額は54億円です。他に下水道やごみ手数料の値上げを含む料金改定。法改定による、後期高齢者(75歳以上)対象の新しい医療保険制度を創るため「千葉県後期高齢者医療広域連合」を設置する協議など18議案が審議されました。

市民ネットワークは、ごみの手数料改定と、周知もなされず拙速な「千葉県後期高齢者医療広域連合」設置協議議案、それに伴う補正予算に反対しました。

*障害福祉サービス等の激変緩和策

障害福祉サービス等の利用者負担の激変緩和策が、2007年1月から実施されることが決まりました。2006年4月から始まった自立支援法による、福祉サービス費用の原則1割の応益負担については、利用者から負担が増え払いきれない等の声がありました。
激変緩和策は、負担上限月額を2008年度まで段階的に引き下げ、差額を市が助成します。対象は市民税非課税世帯の方で、障害福祉サービス、車いす等の補装具、ストマ用装具等の日常生活用具、障害児施設給付です。また、移動支援等の地域生活支援給付も、上限月額は障害福祉サービスと合算しており、対象となります。
すでに独自軽減策を実施している他自治体もあり、2007年から千葉市も取り組むことが決まりほっとしています。

*学校をどう開いていくか

今、教育現場はいじめや不登校、学級崩壊といった多くの困難を抱えています。現時点で千葉市のいじめの件数は小・中学校あわせて141件、不登校は713人です。また、精神性疾患で休職・療養休暇する教職員はあわせて25名です。

9月には、中学校の教員が自殺し、遺族は校長による*パワーハラスメントが原因として、教育委員会に実態調査を依頼しました。調査報告では、教育現場で展開された人権侵害ともいえる実態が明らかとなりました。学校教育現場が精神的に追い詰められるような現状ならば、環境改善が早急に求められます。また、教育委員会の独立性は重要ですが、閉鎖的では困ります。子どもや教職員の深刻な悩みには外部の相談機関を設け対応する、チャイルドライン等の民間機関と連携することを要望しました。 *職権を背景に、業務の範囲を超え、継続的に、人格と尊厳を傷つける言動を行い、職場環境を悪化させるような行為

前回に引き続き山田京子が高野はるみに話を聞きました

*政務調査費について

山田京子と高野はるみ山田 東京都目黒区議会議員が、政務調査費の使い方が原因で全員辞職しましたね。今問題となっている政務調査費とは何ですか?

高野 議員の調査研究活動のため、会派に所属議員の人数分が交付される費用で、千葉市では議員一人当たり月額30万円です。条例で額や使い途を定めていますが、領収書の添付を義務付けていませんので報告は簡単な書面のみを年度末に議長に提出しています。

山田 市民ネットワークの対応は

高野 市民ネットワークは、政務調査費について、領収書を添えた報告書の提出を義務付けて、市民に公開するように要望しています。

*農村部との交流について

山田 若葉区の半分は緑ゆたかな農村部ですね。

高野 農業の役割は、食糧生産ばかりではありません。生物多様性や環境の保全に大きく貢献しています。遊休農地や荒れた里山などが整備されることで、保水力も高まり、地球温暖化防止や水循環の健全化が図れます。都市部の住民と協働できるといいですね。

山田 協働の具体的なイメージは?

高野 とにかく、「一緒にやらせて」と行動することです。市民ネットワークわかばの仲間と富田町のコスモスまつりの種まきをさせてほしいと声をかけ、参加したことがきっかけとなり、コスモスボランティアが始まりました。里山ボランティアもその活動から生まれたものです。

山田 楽しそうな取り組みですね。都市部と農村部の交流が進むといいですね。

高野 どちらも市が窓口となり活動が続いています。市民発の協働が進むような条件整備が必要ですよね。

*モノレール通学定期について

山田 「モノレールの通学定期がJRに比べて高いけれどどうにかならないのかしら」との声がよくきかれます。

高野 現在、モノレール定期券の6ヶ月継続購入者に限って、更に10%の割引が行われていますが、JRに比べてモノレール通学定期は約2.5〜3倍の金額となっています。教育費に加えて交通費ですから負担が大きいですね。

山田 いい提案はありますか

高野 北総鉄道と千葉ニュータウン地域の取り組みです。2005年4月から北総鉄道は、通学定期券の利用者負担を4割から3割に引き下げ、さらに沿線の*4自治体が利用者負担分の25%を助成するものです。その結果、少子化の影響で通学客が伸び悩む中、北総鉄道の伸び率は5%を越えています。この取り組みは「子育て支援」と評価され、日本鉄道賞・特別表彰を受けました。 モノレールは若葉区にとって大切な足の1つでもあります。利用者を増やすためにも通学定期の割引率の見直しを考えるべきです。赤字解消するためには、パーク&ライド等、様々な取り組みが必要ですね。