街づくり通信〔高野晴美議会報告)

子どもの安全をまもりたい

市民ネットワークちば わかば事務所では、「子どもをのびのびと地域で安全に育てる」との思いで活動をしています。プレーパークの学習会やCAP(子どもの暴力防止プログラム)講座を開いたり、学校開放を要望し議会質問をしてきました。また、通学路を点検し、危険箇所の改善を求めてきました。
そんな中、各地で子どもが犠牲になる悲しい事件が続いています。
一過性ではなく、安全のための息の長い取り組みが必要です。千葉市の現状を知り、自分たちのできる方向を見つけていきたいと考えています。

 

千葉市の取り組み

2005年度から、千葉市立の小中高校ごとに、セーフティーウオッチャー(安全ボランティア)の制度が始まりました。登録者は昨年11月の段階で計6800人います。また、走るセーフティウォッチャーと呼ぶ郵便局の外務職員1000名の協力体制もとっているという事でした。
育成委員会が独自に始めた「子ども110番の家」は現在8200軒の登録があり、さらに増やすため、さまざまな業界に協力を要請しているそうです。市民ネットワークちば わかば事務所でも「子ども110番の家」の登録をしています。
このようにして、子どもの安全を確保するためのいろいろな取り組みが始まっています。

地域の連携は

地域には、自治会が中心となり防犯パトロール隊が数多く結成され、暮らしの安全対策を行っています。また育成委員会でも地域パトロールを実施しています。最近では、教師が手分けして集団下校に付き添う方法を開始した小学校もあります。しかし、残念ながらグループ間の連携がなくバラバラに行われているのが現状です。

子どもたちを見守る地域の目・声が必要

子どもたちが、実際にどこで危険な思いをしたか、実態を把握し、適切に対応して対策を考えるためには、地域の力が不可欠だと思います。
学校と地域住民が情報を共有し連携をして子どもたちを見守る。こうすることが、地域コミュニティの活性化にも繋がり、子どもにとってよい環境が整います。
さらに、子ども自身が「自分で身を守ること」を学び、身につける機会を積極的に教育の中で設ける必要もあります。
今後、市民ネットワークちば わかば事務所では、同じように子どもの安全を考えている人たちと、情報交換の場を設け、連携をとり、より安全な街づくりを進めていきたいと思います。(山田)

「子どもを犯罪から守る」研究をされている千葉大の中村攻先生の講演を聞きました。実践例もあげ、地域コミュニティ再生の大切さがわかる講演会でした。  報告を次ページに紹介します。

議案質問から

千葉ロッテマリーンズやジェフ・千葉の大活躍で千葉市が沸きました。しかし、次年度(06年)予算では212億円の収支不足が見込まれ、モノレール再建に321億円、延伸の総事業費は176億円と明らかにされました。議案のうち、「国民保護法関連条例」はその実効性などに疑問があり反対しました。小学校のアスベスト除去のための補正予算、マリンスタジアムの指定管理者等の議案には賛成しました。 また、ネット提出の「北米産牛肉の輸入再開に慎重な対応を求める」等の意見書は賛同が得られませんでした。

図書館について

 

中央図書館は、地区図書館とは違い祝日、平日は夜9時までの開館で、多くの市民に利用されています。
市民からの要望は、「インターネット予約を含む図書館システムの改善」「資料の充実」などで、地区図書館では開館時間の延長も要望されています。
今年度から地区図書館でも利用者の声を反映するために「意見箱」を置いています。緑図書館では、市民意見とその対応がすでに「お知らせコーナー」で掲示され、市民にとってより身近な図書館へと期待されます。
図書館には「自習室」があると思っていましたが、中央図書館以外はありません。中央図書館の「自習室」は午前、午後、夜間と入替制で16年度の利用者数は多く、6万人を超えています。多くの若者が学習の場として「自習室」を必要としています。地区図書館や分館にも「自習室」をきちんと設け、夜間は公民館を「自習室」として開放するなど、地域に若者の居場所を確保することも必要です。

#子どもを犯罪から守る講演会報告

4割もの子どもが犯罪の危険にあっている

中村先生は公園や街づくりの研究者ですが、宮崎事件をきっかけにこれまでの公園づくりに疑問をもったそうです。警察には子どもが犯罪に巻き込まれそうになったデータはなく、独自に調査を始めると、平均4割もの子どもが何らかの危険にあっていることがわかったそうです。
そこからみえてきたのは犯罪の起きる場所に共通の特徴があることでした。
現在、その結果を生かしてさまざまな地域で安全のための取り組をサポートされています。

創造性を育むには遊びが大切

子どもは、遊びの中から自主性や創造性を学び成長していきます。友だちと群れて、自由に遊べるのは地域しかありません。創造力のある子どもが育つためには、子どものための安全な遊びの空間が必要です。

なぜ犯罪が起こる街になったか

これまでの公園は「安全」であることが前提で作られてきました。公園では、犯罪が起こる事は想定されていません。年月を経て公園の様子も大きく変わりました。
 また、地域のコミュニティが失われ、お互いが無関心になっています。このような状況の中では、子どもたちを守ることはできません。地域のコミュニティを再生する必要があります。

地域ぐるみの取り組みが効果をあげている

葛飾区では、行政が中心になり、小中学校のPTAや地域の団体が一緒になって、子どもの安全への取り組みを行っています。
その活動の流れは子どもたちへのアンケート調査(いつどこで危険な目にあったか)→危険箇所マップ作り→大人がグループごとに危険箇所を歩き、どんな状況かを調べ、対策案を立てる→行政、警察と一緒に対策案を具体化して実行する
この一連の活動を通して地域のいろいろな人が集まり、問題解決に向かう事で、失われていたコミュニティの再生ができる。これが大きな収穫です。また、行政や警察の方と、共同作業をする事で、「市民力」がアップすることがすばらしいと思いました。(山田)

ごみ問題

#ごみの減量について

市民ネットワークちば わかば事務所では、ゴミ減量にむけての区民アンケートを行いました。      
ごみ減量のための「ちばルール」が2年前に作られ、市・市民・事業者の自主的な取り組みが進められています。「ちばルール」の取り組みの1つで、新聞販売店の古紙回収やスーパーでの食品トレー・牛乳パックなどは、回収量は増えているようです。しかし包装紙、菓子箱、封筒などのいわゆる「雑紙」の回収は進んでいません。ごみとして収集し焼却される紙類は、可燃物の約半分を占めています。
昨年度、モデルとして古紙・布類のごみステーション回収が一部地域で始まりました。今年度は、中央区全域でステーション回収をしています。いま策定中の新5カ年計画では、「全市に拡げる」と明記されています。

紙類を資源として回収し、ごみとして燃やさないためには、早急に取り組むことが必要です。
一方で、商店や事業所等の事業系ゴミは増え続けているため、分別資源化の取り組みが求められます。徹底的なごみの分別資源化により北谷津清掃工場を廃止し、ごみを燃やさない社会を目指したいものです。

#アスベストについて

北谷津清掃工場

今回アスベストの実態調査対象施設273のうち、41施設で吹きつけアスベストが判明しました。若葉区には7施設(廃止施設一つを含む)あります。それらの施設では17・18年度で除去作業が行なわれます。除去するにあたり、健康面には十分な配慮を望みます。
*17年度に工事が行なわれる施設
・千城小学校 階段室
・加曽利貝塚博物館 廊下
・大宮中学校 放送室(除去済)
*18年度に工事が行われる施設
・みつわ台北小学校 屋内電気室
・谷当汚水処理場 機械室、発電気室など
・北谷津清掃工場プラットホーム、炉室など

#ごみアンケートからみえてきた! システムしだいで

新内陸最終処分場

若葉区では北谷津に焼却工場、更科町に最終処分場があります。周辺の大気汚染や土壌汚染が気になります。 私たちは昨年ごみ焼却の危険について学習会をしました。 焼却による大気汚染、土壌汚染はダイオキシンだけではなくさまざまな物質があること、焼却することで未知の物質が生まれる可能性のあることを学びました。また市民が主体的に取り組むシステム作りをすることで、焼却に頼らないごみ処理が可能なことも学びました。

「煙突のないごみ処理工場」をめざす活動の一つとして「ごみアンケート」を行ないました。8月に発行した「街づくり通信」といっしょに地域配布をし、250人ほどの方から返信を頂きました。ご協力ありがとうございました。 アンケートによるによると、80%の人が新聞や雑誌など紙類を資源回収に出しています。しかし自宅での保管の問題や収集場所の不便さから40%の人がダンボールなどは可燃物 収集に出しています。また牛乳パックや食品トレーなどは60%以上の人がスーパーや生協の回収に出しています。 パックや必要以上の包装を指摘する声も多く出されています。

このアンケートを通して、多くの人が、自分で出来るごみ減量に、積極的に取り組んでいることが見えてきました。また紙や古紙、古布の回収がステーション回収であれば、もっと多くの人が参加できることも分かりました。 最近、東京で30年前に出来た団地の公園などいたるところで高濃度のダイオキシン汚染が見つかり大きな問題になっています。 私たちの住むこの地域が、将来ともに安全な地域であるために、「煙突のないごみ処理工場」を皆さんとともに考えていきたいと思います。

ネットの強みはみんなの声

市民ネットワークちばは千葉市内各区に事務所を持ち、地域の方々と一緒に活動し千葉市に対して提言・要望を行なっています。小さな市民のつぶやきが、暮らしやすく、税金の無駄遣いのない千葉市政をつくる第一歩になると考えています。事務所に寄せられた投稿の一部(要旨)を紹介します。

手当てとモノレール延伸

Nさん(みつわ台在住)

特殊勤務手当てが職員全体の45.6%に支給され、約半数の職員が特殊勤務についている。こんなばかな事は民間会社では有り得ないことです。議会で徹底的に追求して特殊の名目での手当ては解消されるべきではありませんか。 また千葉都市モノレールの延長問題は、新聞等によれば、担当部局でも採算性は延伸して見なければわからないと報じられ、赤字財政の中で市の態度は無責任極まりない。延長による採算性とメリット、デメリツトを市民にもっと明確に説明し納得の行く対処をすべきではありませんか。官の失政に対する責任問題は追及される事無 く再就職等で、のうのうとさせている現状から見て議会の責任はより重大だと思う。

指定管理者制度

Kさん(小倉台在住)

私は都賀コミュニティーセンターを利用しています。使用料150円で温水シャワーを浴びて気分爽快になります。指定管理者制度がここでも導入されると聞きましたが、使用料の値上げなど条件が悪くならないかと心配しています。「官から民へ」は時の流れとしても、それぞれの施設の実態をよく把握して実施してほしいものです。管理者が変更になっても、運営を見守りチェック機能が十分に発揮できる制度を設けるべきだと思います。高齢者がいきいきとして暮らせる千葉市になってほしいものです。     

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今まで、学童保育、病後児保育、通学路、バス交通、遊歩道についてなどの意見が寄せられ、その都度一緒に市役所に出かけたり、議会で質問を行うなど、時間をかけて活動することで改善をみてきました。今回の問題についても市民ネットワークは、再三議会質問で指摘をしてきましたが、なかなか思うようにいきません。

圧倒的に保守系の議員が多い市議会でがんばることが出来るのは、このような皆さんの声の後押しがあるからです。今後も地道な活動を続けていきますが、市民が市長への手紙を利用するなど、直接千葉市に声を届けることも大切だと思っています。これからもいろいろなご意見をお寄せください

わかば事務所をオープンスペースに

7年間子供服のリサイクルコーナーとして皆さんに利用していただきました。 今年度から地域の集まりや趣味の作品展示コーナーとして開放します。原則無料です。 どうぞご利用ください。

市民ネットワークちば総会

2月18日(土)生涯学習センターホール
総会13:45〜14:50
講演会&フリートーク 15:00〜16:50
講師 土井たか子「迫りくる改憲の動き」-想像力の翼を羽ばたかせよう-

伝言板

1/25(水)10:00 〜12:00市民ネットワークちば わかば事務所「おしゃべりサロン■所:大宮公民館 
1/28(土)13:30 〜16:40 市民ネットワーク千葉県総会■所:グリーンタワーホテル千葉
2/4(土)16:30〜18:30「イラク報道の虚と実」綿井健陽・安田純平対談■所:船橋勤労市民会館
2/8(水)13:00〜16:00千葉県男女共同参画づくりネットワーク会議■所:県庁中庁舎10階大会議室
2/12(日)13:00〜16:30精神障害者の地域生活推進ネットワーク・ちば【仮称】設立フォーラム■所:千葉大学西千葉校舎法経学部棟C203教室
2/18(土)13:30〜千「憲法・教育基本法を守ろう!千葉県民集会」■所:葉県教育会館大ホール

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