街づくり通信〔高野晴美議会報告)
ネットと地域が連携
市民の声が予算に反映
 2005年度千葉市予算が可決され、若葉区に関連するものも多数計上されました。
 その中で、住民との連携で千葉市へ要望し、実現することができたいくつかを紹介します。今後とも地域に根ざした事業となるように注目していきます。
乳幼児健康支援一時預かり
 預けることができず、保育者が就労または傷病・事故・出産・冠婚葬祭などの理由により、家庭での育児が困難なお子さんを診療所に併設した施設で一定期間預かる施策です。
 乳幼児を育てながら働くお母さん方から切望する声が寄せられ、市民ネットワークちば わかば事務所のメンバーは市保健福祉局子ども家庭部を一緒に訪ねました。育児のことや病気回復時の現状を話し、区内設置の必要性を要望しました。
 他区ではすでに6施設(小児科に併設)が開設運営されていましたが、この度ようやく若葉区にも設置されることになりました。
学校内に子どもルーム設置(放課後児童健全育成事業)
 昼間家庭に保護者のいない、原則として小学校1年〜3年生の児童を対象に授業が終わった後の遊び及び生活の場を提供し、指導員の活動支援のもと児童の健全育成を図るための施設です。
 若葉区内小学校に子どもルームが14ヶ所運営されています。そのうち4ヶ所が校外で運営されています。放課後、子どもたちがルームへたどり着くまでにはさまざまな事故が起きることも考えられます。
 千城台東小学校の子どもルームも校外で運営されていましたが、子どもの安全を考えぜひ学内に設置をと、署名活動を行い、保護者から市へ要望書が提出されました。このたび、ようやく学校の敷地内に子どもルームが設置されました。子を思う親心がついに行政を動かしたのです。「継続は力なり」あきらめず、粘り強く活動された保護者の方々に拍手を送ります。
 この間、市民ネットワークちば わかば事務所では保護者からの相談に応じ、アドバイスをして活動の後押しをしました。これからも情報発信源としての役割を果たしながら、地域の方々と問題点を共有し合って活動を続けていきます。 

  いよいよ徴税事務の特別処分にメス
 「税不正免除は許さない」と昨年11月より開始した直接請求の署名活動が実りました。2月1日の臨時市議会で個別外部監査請求が、千葉市議会議員全会一致で可決されました。そして、今議会、追加議案では、個別外部監査契約の議案が提出され、監査人は鈴木啓之氏、契約金は2千万円と決まりました。厳しい監査を期待します。
 花沢元県議の税不正免除事件から発覚した徴税事務の不透明な特別処分にメスが入ります。
 私たち市民もどのような監査が行なわれていくのか、注目していきましょう。
代表質問から
 今議会は平成17年度の予算審査を含む議会です。
今年度、当初予算は7,051億円(一般会計3,416億円、特別会計2,810億円。企業会計824億円)で前年度比1.2%(一般会計で1.2%)減ですが、16年度補正予算は146億円で、実質0.9%増の積極予算でした。その他条例議案など87議案を審議しました。
市民ネットでは環境の視点などから、4議案に反対しました。(平成16年度一般会計補正予算、17年度千葉市一般会計予算、17年度千葉市水道会計予算、土地の取得について)

自治体職員の厚遇問題
 昨年11月に大阪市で「カラ残業」問題が発覚し、さらに職員互助組合へ多額の補助金助成による、「ヤミ退職金」「ヤミ年金」が明らかとなり、公費による職員厚遇の実態が次々に明らかになりました。千葉市では、新行政改革推進計画の中で、補助金の適正化、定員及び給与の見直しを掲げています。
 総務省からは「地方公務員の給与改定に関する取り扱い」が、都道府県、政令市の長あてに通知され、更に、総務省のホームページには平成15年度の見直しを検討すべき特殊勤務手当の支給状況の結果が公表されています。そこで千葉市の特殊勤務手当て、*退職時の特別昇給、職員互助会への補助金について質問しました。

Q:千葉市で特殊勤務手当を15・16年度で見直した項目はあるのか。
A:見直したものはない。全体の項目を毎年見直し、職員団体と協議している。
Q:総務省の公表した、千葉市の特殊勤務手当の総額はいくらか。
A:普通会計ベースで約8100万円。
Q:退職時特別昇給の見直しについて。
A:平成16年度に一部見直し、平成17年度4月から、国と同様に廃止する。
Q:職員互助会への補助は、千葉市一人あたりの額が4万2千円と報道され、他都市と比べて、高くなっている。補助金の総額。また見直しについてはどの様に考えているのか.
A:17年度当初予算案における補助金は、3億3,650万円。現在、福利厚生事業の一環として、会員掛金相当額を補助しているが、今後、適切に対応したい。

厳しい財政運営といいながらも、人件費の見直しは、まな板の上にのりませんでした。特殊勤務手当も含め見直しが必要です。職員互助会への補助は、会員(全職員)の掛金率が給与の1%と他自治体より高いため、補助金の額も大きくなります。
ヤミ給与が疑われる互助会への補助は廃止し、職員の福利厚生事業は市が直接行なうことが求められます。
退職時の給料が一号俸上がり、それをベースに退職金が計算される。
ちなみに平成15年度は8800万円が増額して支払われた。
平成17・18年度に新規開設する施設は35ヶ所。今後、維持経費の増は避けられません。
次期5ヶ年計画では、開発等による公共事業の見直しが迫られます。」
若葉区関連予算計上されたその他事業
・旭ヶ丘母子ホーム(旭が丘保育園と合築)
・小倉町市民緑地 (市民緑地モデル事業)市民が主体となり市民の森などの樹林地の管理や運営手法を検討                   
・子どもたちの森(子どもたちと自然をテーマにした公園整備)
・コミュニティバス(泉地区に導入)(さらしなバス1路線1台→2台)
・中田スポーツ施設整備  (H18.10月開設予定)
(グラウンドゴルフ場、野球場、テニス場、多目的運動場)
・桜木園整備 (H18.4月開設予定)重症心身障害児施設改築
・いきいきセンター整備 都賀保健センター跡を活用し高齢者の活動拠点を整備
このほかに26事業があります

千葉市の次世代育成支援行動計画策定に思う
少子化に歯止めがかからない
 国では少子化傾向に歯止めをかけるためさまざまな施策を行ってきましたが、特殊出生率は下がる一方です。そこで2003年「次世代育成支援対策推進法」を制定し、地方公共団体(県・市)には、行動計画の策定が義務づけられました。
 千葉市は「次世代育成支援行動計画」作りに向けて素案を1月に公表し、パブリックコメント(意見募集)を行いました。1,700人の市民から1,100件の意見が寄せられました。また各区では市民説明会も開かれました。

子ども自身の支援を
 計画では、子どもたちの健やかな成長、安心して生み育てることができる環境づくりを目指しています。しかし、具体的な施策では「子育て」=家庭等の支援は進められていますが「子育ち」=子ども自身を支援する視点がみられません。
 子どもは守られるばかりの存在ではないのです。市は子どもの視点に立った取り組みが重要との認識があるとのことなので、さらに進めて、「子どもの権利条約」に基づく「子どもの権利条例」制定に向けて早急な対応を求めます。

「子どもの権利条例」に関する調査研究
 今回の質問をおこなう中で、2002,3年度『千葉市における「子どもの権利条例」に関する調査研究』が行われていたことがわかりました。将来千葉市が「子どもの権利条例」を策定する場合の留意点が、主として法的な面から分析検討されています。
 子どもの問題は、いまや私的な親子関係の問題にとどまらず、公共的な課題となっている現状です。条例素案の中では「子どもの尊厳・最善の利益を確保することを目的とする。」事を掲げ、意見表明権、子どもオンブズ制度の設置等が示されています。千葉県では「子ども人権条例」制定に向けて部会を設置します。千葉市も検討が必要でしょう。

市民参加の計画づくり
若葉区では都賀コミュニティセンターで行動計画についての説明会がありましたが、残念なことに10人ほどの参加でした。全区でも80人ほどで、子どもに関わる活動をする方々への広報が不十分だったと感じられました。
企業、教育、保育、医療関係者などの民間企業・団体を中心として構成する「子育て支援連絡協議会」が行動計画を推進するために設置されます。この連絡協議会はまだ白紙の状況で今年度委員の構成や役割などについて決めていきます。のんびりした対応ですが、私たち市民からも協議会について意見を出していきましょう。今後、地域で子どもを支援するためには、子育て支援連絡協議会に任せるだけではなく、新しい保健福祉センターなどで、ワイワイ、ガヤガヤと意見交換の場を確保することが重要です。(高野)
わかば保健福祉センターオープン 
 保健福祉の拠点となる「保健福祉センター」が区役所の前にオープンしました。4階にはボランティアセンターも設けられています。
 若葉区地域福祉計画づくりのために、一昨年からはじまった市民参加の地域フォーラムでは、これからの地域福祉を考えるときに、高齢者、障害者、子どもや子育て中の親そして何か地域のために役立ちたいと思っているおおぜいの市民が自由に使え、情報交換できる場が必要であることが出されました。
 この広いボランティア活動室を、これからの地域福祉の真の拠点にするためには、管理運営者である社会福祉協議会だけに「お任せ」ではなく、私たち地域に住むさまざまな人が「声を出し、手を出し、足を出す」ことをしていかなければならないと思います。(田沼)

 都賀―鎌取の路線バスが6月から増便されることになりました。
 現行のこのバスは、便数が少なく便利が悪いので多くの人びとが増便を望んできました。要望実現のためには私たち自身の努力が必要と考え大宮台の有志が、平成12年4月にバスフォーラムを立ち上げてこれを推進してきました。
 5年間かけて、市の都市交通課やバス会社との協議を重ねましたが、努力の甲斐あってようやく要望実現の運びとなりました。市の今年度の予算に若葉区役所バス運行補助費として、千葉市斎場、JR鎌取駅への延伸が決定し増便の助成金が計上されました。 
 これは、バスフォーラム有志の方々と市民ネットワークちば わかば事務所の努力の成果です。市の斎場がオープンする6月にタイミングを合わせ、運行は見直しルートになる予定です。(大宮台・十枝内)       
*ルートは申請中です。
「子どもたちの森」へのアクセス
「子どもたちの森」が動物公園に隣接した場所に予定されています。
 2006年春の開設に向けて地元住民や子どもたちの意見を取り入れ [子どもたちの森をつくる会]が、子どもたちの森づくりについて大切にしていきたいことを話し合い活動しています。
 しかし、森までの道のりが子どもたちにとって安全かどうかと疑問の声もあり、市民ネットワークちば わかば事務所では、動物公園駅を基点として、子どもたちの森周辺道路を実際に歩いてみました。
 その結果、動物公園駐車場からの入り口、道順がわかりにくく今後の整備が必要です。また車椅子、ベビーカーでも安心していけるようにバリアフリー化も望まれます。
 日頃、土に触れる機会の少ない子どもたち、デコボコ道を踏みしめ、元気に遊ぶための「子どもたちの森」です。
 障がいがある子もともに自由に行き、遊べるよう、よりよい遊び場となるように、みんなで考えて声を出していきましょう。(安藤) 
掲示板
★5/7、21「子どもたちの心を考える」2時から4時半・生涯学習センター、1回2000円
・講師:里野奉子(ポコ・ア・ポコの会)
(問)NPO法人千葉市民活動市民事業サポートクラブ043-303-1688
★5/8「サツマイモの苗植えと谷津田見学、クレソン採集」10時から12時
・野呂の農場でさつま芋の苗を植え、近くの谷津田を見学し、クレソンつみなどを楽しみます。
(問)ビオスの会043-279-0098
★5/22「どうなる子どもの教科書」1時半から4時
・稲毛サティホール、資料代300円
・講師:俵義文
(問)市民ネットワーク・千葉県043-201-1051
★5/29「親子で自然とあそぼう」10時から12時
・青葉の森公園、大人1500円子ども500円
・自然観察指導員を講師に身近な青葉の森公園をフィールドに自然の楽しみ方を学びます。
(問) NPOクラブ043-303-1688

 長い間、政党や市民団体が、憲法について、改正か護憲かの論議を重ねてきました。そして5年前に設置された憲法調査会が報告書をまとめました。
 憲法を改正する為には、衆参両議会の3分の2の議員が発議し、国民投票に掛けてその過半数を得たときに、成立すると96条に定めてあります。たとえ大多数の議員が改憲を望んでも、最終的には、実施される国民投票によって、主権者である私たちが決定権を持っているということです。
 しかしこの憲法の改正に欠かせない国民投票については、殆ど論じられていません。ところが自民党が以前に発表した国民投票法案では、1)改正した憲法を丸ごと一括して○か×かを国民に問う。2)周知期間が60日から90日と短い。3)マスコミ報道などへの規制強化。などを打ち出していました。現在も更なる論議が続けられています。
 国民投票法は、市民が充分議論し理解する期間を設けて、憲法のどの部分を変えるのか、どこを変えないで守りたいのかの是非を、国民が納得して選択することができるようにするべきです。
 その為には、分かり易く、憲法の項目ごとに国民に問うなど、国民投票法の中身が大切になります。市民の方から自分達のための国民投票のルールを作り、政府に示すことが大切です。
 そうすれば、多くの国民が関心をもつ「9条」も個別に議論できます。 (高見)

Copyright(C)市民ネットワークわかば、All Rights Reserved.