市ネット・政策室ニュース 2006年7月 No.18

成年後見制度について

どんな内容の制度?

判断能力の不十分な人(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者)のために後見人が
  財産管理(預貯金の管理や遺産分割等)
  身上監護(施設入所契約や医療契約等)
に関する法律行為を行うが、事実行為(介護、買い物等)はしない。

どんなときに利用するの?

法定後見→判断能力が不十分な状態にあるので支援を受けたい人が利用
後見類型(常に判断能力が欠ける状態にある人が利用)
保佐類型(買い物などはできるが、重要な財産行為は自分でできない人が利用)
補助類型(一人で日常生活できるが、重要な財産行為については誰かが代わりにやるほうがよい人が利用)
任意後見→今は判断能力はあるが将来に備えておきたい人が利用

どのような手続きをとったらいいの?

法定後見

申し立てできる人―本人、配偶者、四親等内(いとこ、甥・姪の子まで)市町村長、任意後見人等
必要書類―申立書に戸籍謄本等を添付
提出先―本人の住民票がある地域を管轄する家庭裁判所
申し立てにかかる費用―約15,000円の他に鑑定料(後見・保佐類型)が50,000円程度。保佐・後見は本人同意不要。
・法定後見人の報酬―第三者の場合、月額約20,000円から30,000円本人の資力と後見事務の内容に基づいて家庭裁判所が決める

※手続きの流れ
  事前準備→審判の申し立て→調査・鑑定・審問→審判→登記→成年後見人等の活動

任意後見

依頼する人と受任する人との間で、公証役場(出張も可)で公正証書を作成し登記する。公証役場は千葉市に2ヵ所
公正証書作成にかかる費用―25,000円程度
任意後見人の報酬―第三者の場合、月額20,000円〜30,000円+経費
   本人の判断能力がある段階―委任事務に関する報酬を当事者間で決める
   本人の判断能力が不十分となった以降―当事者間であらかじめ定めておく
判断能力が不十分な状態になったときー任意後見監督人選任の申し立て(家裁)をし、任意後見監督人の監督の下で任意後見人は契約に定められた仕事を始める。本人が動ける間は後見人は動かないので報酬はかからない。
・任意後見人は法律が不適任と定めている理由(未成年者、破産者、行方不明者、本人と訴訟関係があるなど)がなければ誰でもなれる。
・任意後見契約(将来型)を結んだ後、受任者(後見人)と委任者が月に1度ぐらい交流をもつことで理解を深め合うことや見守りが必要。見守り費用は、社会福祉士の場合、月5,000円前後。

※手続きの流れ
事前準備→任意後見契約公正証書の作成・登記→任意後見監督人選任の申し立て→任意後見監督人の選任・登記→任意後見人の活動開始

成年後見制度の現状と課題

後見人がいないと制度が維持できないが、弁護士は報酬が出ないケースをやりたがらない。後見人の養成が必要。
費用負担があるので生活保護費に後見に使える扶助をいれるべき。
制度がわかりにくいのでわかりやすい説明書を作るなど、理解を得るための努力が必要。
地域福祉権利擁護事業として、市社会福祉協議会ちばし権利擁護センターが設置されている(TEL/043-222-3910)。相談は無料、サービス提供は有料。
各区2ヶ所のあんしんケアセンター(地域包括支援センター)でも成年後見制度の相談が出来る。
2006年度から千葉市社会福祉協議会が後見人になる制度が出来た。(文責:竹内)   

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