市ネット・政策室ニュース 2006年4月 No.17

「驚くべきひどいシステムだった」

3月30日、市役所で記者会見した個別外部監査人の鈴木公認会計士は、今回の監査報告をこのように語っている。

1999年〜2004年度の市税滞納繰越において、従来の手集計よりオンライン上の数値が、約70〜80億円が多いことが明らかとなった。

公式の決算書類で、オンライン上の数値ではなく、手集計の数値が使われたのは、収税率をあげるためではなかったかという疑いもある。

また、システム上の大きな不備をはじめ、個人情報を含むセキュリティやデータ保存のあり方など多くの不備が見つかったと報告されている。特別処分を指令した書類等がないことなど多くの疑問があるが、今回の「税滞納問題」に関する「住民訴訟」の可能性は難しいそうだ。

今回は、その「住民訴訟」についてとりあげる。

「住民訴訟」とは?

< 公金の支出に関して住民が提起する訴訟のこと >

地方自治体における公金の違法、または不正な支出に対し、その地域の住民が提起する訴訟のことをいう。地方自治法に基づき。通常の裁判所で行われる。  

住民監査請求の結果、地方自治体による公金の支出について、住民が不服がある場合、その支出が違法または、不正なものかどうかを裁判所で争うもの。

住民訴訟の提起は、地方自治法に基づく住民監査請求の結果に不服がある場合に限られる。その不服請求が認められた場合は、その首長や職員は、該当する公金の支出分を地方自治体に返さなければならない。

住民訴訟は、支出された公金の返還にとどまらず、社会的に問題提起をする場ともなる。「市民ネットワーク千葉県」のメンバーも中心となって訴訟に関わっている「八ツ場ダム」訴訟もこれにあたる。

2004年、千葉県では、八ツ場ダム建設に反対する住民によって、住民監査請求をしたが、監査委員は、却下・棄却とした。

これを不服とし、2004年11月、35名の弁護士により千葉地裁に提訴した。「違法な補助金交付」「談合による不当所得」「高額の飲食」「カラ出張・ヤミ手当」などについても「地裁」で住民側が勝訴した例も多い。

1997年、愛媛県知事が靖国神社への玉串料を公金から支出したのは、憲法の政教分離に違反するとし、愛媛県知事に17万円の返還を命じた最高裁の判決が有名。

(文責 出納)

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